過去ログ - モダンブレイバー 〜三人のこと〜
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 00:50:43.17 ID:9b91y1IMo
……真っ白な世界が広がっていた。
どこまでもどこまでも続く純白。光があふれているようでもあり、ただ白いペンキが塗られているだけのよう
でもあり。
俺はぽかんとしてそこにいた。
「勇者よ」
背後から唐突に声。
「勇者よ」
二回目のそれは振り返った俺の鼻先で告げられた。
距離にして一歩もないだろう。そこに女がいた。
「汝に力を与える」
「え?」
「それでもって世の不幸を打ち払え」
不幸。告げられたそれに特に重みはなかった。
「……え?」
俺は間抜けのように繰り返すしかない。
当然のことながらこういったシチュエーションは経験したことがない。俺は――
「……もしかして死んだのか?」
不思議と恐怖はなかった。いや、むしろどこか安堵すら覚えるその響き。
女は答えない。真っ直ぐな目でじっとこちらを見たまま。
そのまま間が開く。と。
「……ファイト!」
女は唐突にその怜悧な表情を崩すと、親指を立てた。何だそれは。
「おいちょっと」
待てよ。といったところで唐突に視界が回転した。ぐにゃりと歪んだ視界の中悟った。
これはもしかしたら本当に死んだかもしれないと。
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