121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/23(土) 21:58:01.48 ID:SJjiHYjwo
「さて、どうしたものかな」
少女と並んで往来を歩きながら、ウィリアムはぼんやりとつぶやいた。
横の少女に合わせて歩みは遅い。
「王国の外にいる可能性も合わせて情報を集めないといけないし……」
頭を悩ませながらふと隣を見ると、少女は落ち着かない様子であたりを見回していた。
仕方のないことだろうな、とウィリアムは思った。
裏路地に向かうとき、傭兵隊の支部へと向かうときの様子もこうだった。
どうやら彼女はずっと山の屋敷を出たことがなかったようだし、ならばむやみに人が多いこの都は彼女に多大な負担をかけるだろう。
そういった人間に王都はあまり優しくない。直接的な意味でも婉曲的な意味でも。
「はぐれないようにね」
王都の大通りに近付くにつれて人の数は増えていく。
あまり彼女の負担になるコース取りはしたくなかったがこれは仕方ない。
向かっている先は人の集まる場所だからだ。
「居酒屋……?」
「そ、居酒屋。知らないかな、お酒を売ったりしてるところなんだけれど。
人が集まりやすくて簡易の宿をやってるところもあるんだ。
つまりそれだけ情報が集まりやすい」
まあ順当な選択だろう。
宿に泊まる客と言うのは王都の外から来た人間ということであるし、その中には王国外からの訪問者もいるはずだ。
外れならば次はもっと大きい宿か、あるいは商館が候補になる。
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