189:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/11(水) 19:55:22.04 ID:lSgkn7ERo
「大変ねえ、配属早々にこんな体力仕事……おまけに遠出でしょ? 無理してない?」
彼女の声には特に変調はなかった。例えばこちらの素性をうかがうとか、何か訝しんでいるとかいったような。
声はそのまま心配しているように聞こえた。
しかし、それは安心材料たりえるのか。
「……大、丈夫」
ようやくそれだけ言って、言葉に詰まった。
と、頭を撫でられる感触。
「もし不調を感じたときはわたしにいいなさい」
見上げると、やはり笑顔がそこにあった。
「わたしが力になるわ」
やはり優しく柔らかいそれ。
警戒心を解くまでは至らなくとも。それはウィリアム以外にも信用してもよさそうな人間はいることを教えてくれた。
「これ食べる? わたしはもうおなかいっぱい」
「……ありがとう」
ミリアから手つかずの焼き菓子を受け取って、クリアはほんの少しだけ微笑んだ。
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