39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/02(土) 21:07:12.63 ID:rVhEFPKqo
本当は気は進まなかったのだ。
他人を面倒を押し付けてまで自分の保身を図るなど。
それではきっと、人として大事なものを失ってしまう。
「……あ。でも勘違いしてほしくないのは、彼も本当は悪い奴じゃないってことだよ」
「……?」
「確かに他人の都合は考えないけど、自分が正しいと思ったことは必ず成し遂げる。
それがどんなに困難だったとしてもね。僕も昔ロックのそんなところに助けられた。
なんて言うんだろう。彼はね、人当たりは悪いけど、性根までは腐ってないんだ」
少女が納得してくれたかはわからない。
ただ、彼が視線を下ろすと彼女はもう震えてはいなかった。
「本当にごめんね……」
「パパが……」
少女が口を開いた。
「?」
「パパが言ってたの……」
少女の声は小さくか細く、聞き取るのに苦労した。
だが、好感のもてる美しい声音だった。
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