41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/02(土) 21:11:33.64 ID:rVhEFPKqo
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机で書類を読んでいた壮年の彼――キリト・スライは副官の呼ぶ声にしばし気付かなかった。
「……なんだ?」
「良かったのですか騎士団長」
「彼らか」
「ええ、何とでも理由を付けて免職を取り消すことはできたはずです。相手はあのアロー家ですよ?
私も表向きは平静を演じましたがこれはかなり……」
「そうだな」
書類を読む目を止めずに彼は応じた。
「ならばなぜ?」
「年長者の義務だからな」
「はい?」
やはり書類から目を離さないまま騎士団の頭は続けた。
「後進の育成だよ」
「つまり?」
「彼らには期待している。そういうことだ」
彼は淡々と書類にサインを施した。
「……アローの男とは言え、少々荷が重すぎやしませんか?」
「獅子は子を幾百もの試練で鍛えるという」
「彼は乗り越えると?」
「さて……」
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