87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/18(月) 20:37:04.25 ID:yM5v7x3Mo
「だッ!」
男が脇の下から血を噴いた。
革鎧の防御のないそこを剣で薙ぎ払われ、男の身体が傾ぐ。
ウィリアムだ。
それもそうだ。
あの馬鹿は臆病だが、それでも勝機を逃す程阿呆ではない。
そして、目の前のこの男はそんなことも分からない愚か者だ。
長剣はその重量で大きな威力を発揮する。
が、それは保持する健康な身体があるという前提のもとでのことであって、
その前提が崩されればそのような重量物、ただの荷物でしかない。
男がよろめくその足元に。
「……ッ!」
身体をよじって蹴りを放つ。叩き潰された肩が猛烈に痛んだが、どうでもいい。
男がその蹴り足をふみ、盛大に転倒した。
そしてそれに飛びかかる相棒。
(勝ったか……)
どこかほっとしたような心地で。
オルトロックの意識は闇にのまれた。
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