過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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774:[sagesaga]
2011/12/31(土) 16:14:46.99 ID:fYTwW/26o
引き返した風が波立つ水面を平らかに治めて行く。
色褪せた空はつまらなさそうな顔をして、漫然と流れる雲を引きずり、
目を下ろせば、川辺に一人二人、くたびれた釣り人が眠ったように座り込んでいた。

QB(未来)(ねぇ、まどか)

QB(未来)(これから、どうするんだい?)

肩の上に陣取る白い影が動いた。
少女は重そうに頭を動かし、車窓から目を離す。

カーブに差し掛かり、傾く電車。
彼の一言がすぐさま導いたのは。脳裏にまざまざと再現されるのは、ほむらちゃんの顔。

バンッ、と電車のドアが外から叩かれ、相対速度に乗って向かいの車両が駆けぬける。
すべてをかき消すような怒涛は、数秒の後、何事もなかったように鎮まる。

一本、二本、そして十本。さらに続いて数十本。
カーブの続く中、空に溶けていく巨大な構造体の、その一角が姿を顕す。
電車はみるみる煌びやかな鋼鉄のジャングルへ迫っていき、風景に活気が満ちて行く。

その視界のすべてが、少女の瞳には空々しく映っていた。

こんなはずじゃなかったのに。
私だって、まどかなのに。

消えたくなんてないのに! 鹿目まどかは、この私なのに! 
この名前は私のものなのに! 誰にもあげたくなんて、なかったのに!

こんなの絶対、おかしいよ。

もしもし、神さま。いるのなら。
私の幸せ、返してよ。私の最期を、返してよ。

……

――何をしてるの? ほむらちゃん


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