過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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795:[saga]
2012/01/29(日) 04:38:51.40 ID:BZmAVGk7o

路地裏

〜魔まどか視点〜

いやらしく水気に満ちた風が回り、耳元に吹きかかる鼻息のように。
小動物みたいにせっかちな鼓動で刻まれて、分厚く沈んで腐っていくの。

魔まどか「もうおしまいだね、私たち」

魔まどか「私ね、ごめんなさいって言おうとしてたんだ」

魔まどか「けどもう、ダメなんだね。終わりにしなくちゃ、いけないみたい」

側溝を通る、濁った水がバシャバシャと遊んでいる。
穢れも淀みも、心地よい音色に変えて、すべて浮かべて運んでいく。

熱く火照った身体が底から冷やされていく。
ほむらちゃんは、目元の陰影を深めて、悄然としていて。
口は動かず、表情も動かず、戸惑った瞳だけがふるふると震えていた。

魔まどか「私からの、ほむらちゃんへのお願いは、たった一つだけだったの」

魔まどか「なんだったと思う――ほむらちゃん?」

胸を締め付けるだけ。口に出すだけむなしいもの。言葉なんて。
私の声、裏返って奇妙に高く、いつも以上にか細くて、おぼつかなかった。

ほむら「――えっ……と」

だけど、ほむらちゃんの瞳はまるで怒鳴りつけられたかのように大きく揺らいだ。
すべてがわざとらしく、学芸会レベルの下手な演技のようにしか、映らなかったけれど。

特に期待していたわけじゃないの。

最後まで分からないことばかりだった。結局何も伝えられなかった。
私の気持ちを分かってくれているわけがなかった。

ほむら「――えっと……えっと……」



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