過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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822:[saga]
2012/02/18(土) 22:14:45.53 ID:+2ts+odto



ほむらは走っていた。
乱れる息を裂きながら、恥も外聞もない全力疾走。
それは一人の少女に許しを請うため。この世界に残る許しを請うためだった。

途中、必死の形相で転がるように走る集団とすれ違った。双方に余裕なし。
T字路に差し掛かる。直進か、左折か。考える間もなく到達する。そして。

ほむら「――はっ!」

ダン!と右足を叩きつけて急制動をかける。そのつま先を掠めるように、
深くえぐり取られる石畳。そのまま壁まで一息に掘り進み、聞く耳を軋ませる。
おぞましい音と傷跡が威力を誇示した。一歩の差で、同様に引き裂かれていただろう。

ほむらは、物騒な襲撃者に向き直った。

もとより魔女の気配は感じている。
破壊の中心にいるまどかは、安らかな寝息を吐いている。これは予想通り。
しかし、この惨状はまったく予想だにしないものだった。

彼女の頬は猛火の勢いに当てられ、じりじりと削られていく。
見ればまさに死屍累々。貫かれ、押しつぶされ、動かなくなった者たち。
ぷちっという音がした。小さくて、その音は炎の燃え盛る中に消えた。
ほむらの唇に自らの歯が食い込み、小さな血の玉が膨らんで、弾けた。

ほむら「……まどか、いま助けるわ」



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