487: 『挿話−4』:『学園都市』嵐警報!!――『空白』の4日間の話―― ◆K/7LL5shls[saga]
2011/04/06(水) 22:38:56.84 ID:uQvTU5V20
絹旗「それに……滝壺さんは、もう麦野の所には戻れないじゃないですか」
絹旗「どんな理由があれ、利敵行為をした滝壺さんを、あの麦野が超許す筈がありません」
滝壺「…………」
絹旗の言う事は最もだと、滝壺も思う。
あの状況ではああするしか無かったとは言え、
麦野は『自分の意のままにならない部下』を最も嫌う。
結果的に『利敵行為』をしてしまった自分など、決して許しはすまい。
絹旗「縦しんば許されたとしても」
絹旗「今度こそ、超徹底的に死ぬまで使い倒されるだけです」
絹旗「いや…麦野の性格上、今回の事が無くとも、最終的には部下は使い潰すでしょうけど」
絹旗「その使い潰しの度合いは…超最悪なレベルまで上げられる筈です」
絹旗「滝壺さんの能力の希少性的に考えて…私の様に放逐される程度では済まされないでしょう」
滝壺「…………」
―――絹旗が麦野に放逐されたのは
彼女が『使え無い』と、麦野に判断されたからであった。
過去の任務中に、偶然、敵として同じ『暗闇の五月計画』の生き残りの1人と遭遇し、
その際に、思わず攻撃の手が鈍り、敵に不必要な反撃を許してしまったのである。
結局、その生き残りは麦野によって『蒸発』させられたが、
その後も、表だって麦野に反抗する事は無かったものの、
絹旗は情緒不安定な状態に陥り、意図せぬ形での命令違反や、作戦中のミスが重なり、結果、
『こういうヤツは、ここぞ言う所で使え無い』と言う事で、麦野に一方的に首を切られたのである。
粛清では無く、放逐で済ませたのは、麦野の単なる気まぐれに過ぎない。
―――多くの『暗部』の人間がそうであるように、
絹旗もまた『置き去り』の出身者であり、
『暗部』以外に身を置く場所を持たぬ孤独な少女であった。
そんな彼女は、首を切られた所で、行く当てなど無く、
途方に暮れて、やや自暴自棄になっていた所を、
偶然、垣根に拾われて、『カモッラ』の一員となったのである。
絹旗「私も最初は…『暗部』以外に…『アイテム』以外に居場所なんて無いと思っていました」
絹旗「でも…今は少し違うんですよ」
絹旗「何て言うか…新しい『生き方』を見付けられたと言うか……」
絹旗「こんな言い方だと…宗教の勧誘みたいで超イヤなんですが…」
少し照れるように頬を掻けば、
絹旗は、両手で滝壺の手を握りつつ
絹旗「とにかくですよ滝壺さん」
絹旗「私達の仲間になって下さいよ!!」
と力強く言った。
対して滝壺は
滝壺「………」
滝壺「………少し……考えさせてほしい」
1002Res/367.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。