55:『究極生物編』:第15話 ◆K/7LL5shls[saga]
2011/04/01(金) 21:06:16.41 ID:agiwPdA90
『過去1年分』の記憶しか持たず、しかもその大半が孤独な逃避行のモノしか無いインデックスにとって、
ディアボロと上条は、『生まれて初めて出来た』、『唯一』の『家族』なのである。
そのディアボロがインデックスにとっては訳も解らずにブッ倒れ、しかも、中々意識を取り戻さないとくれば、
彼の目覚めを待っていた、彼女の胸中の不安の如何ばかりか………
『家族の喪失』の不安から、ようやく解放されたインデックスは、
自分の涙でディアボロの胸元が濡れるのも構わず、ゴシゴシとその顔をディアボロの胸元に押し当て続けた。
ディアボロ「あーー……よしよし」
ディアボロ「(……何だこの状況は…)」
ディアボロは、胸中のインデックスの頭を撫でてやりつつも、内心に戸惑いを抱えていた。
まずここが何処なのか?とか、今は何時なのか?とか、色々と気には掛ったが、それ以上に、
今、自分が置かれているこの状況自体に戸惑っていた。
彼も一応は人の親であり、トリッシュ=ウナと言う一人娘だっていた訳だが、
その彼女と、親子らしい関係であった時間など、刹那の時間も有りはしなかった。
親娘同士で有りながら、互いを知らず、殺し殺されする関係であった。
そう仕向けたのはディアボロ自身であるが、彼も、娘とそういう関係になる事に、何の後悔も無かった。
―――天上天下唯我独尊。それが『かつての世界』でのディアボロの価値観の全てであった。
そんなディアボロは、人から『好意』を向けられる事など殆ど無かったし、
例え何らかの形で好意を向けられたとしても、利用できる種が増えた、程度にしか感じていなかったのである。
そして何より、彼はその人生においては圧倒的に独りでいる事が多かったのだ。
つまり、真っ当かつ、人間的な好意と言うヤツが自分に向けられる事に、ディアボロは馴れていないのだ。
故に、インデックスが自分を泣くほど心配してくれる事に、戸惑いと言うか、
ある種のこそばゆさを感じずにいれないのである。
ディアボロ「(悪くは…無いな…不思議と)」
ディアボロ「(だが…何と言うか…)」
ディアボロ「(気恥かしいものだな…こう言うのは)」
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