577:1 ◆K/7LL5shls[saga]
2011/04/07(木) 21:18:53.54 ID:R+2ssED70
同じ屋根の下に、インデックスともども暮らす様になって、
既にそれなりの時間が経っていて、まるで『家族』の様に打ち解けた3人であったが、
それでもディアボロは、自分の過去に関してはかたくなに口を閉ざし、
必要最低限以上は、決して語ろうとはしない。
上条「(あの姿を思い出せば…)」
上条「(言えない様な何かがあるのは解るけどさ)」
―――相手の心の奥にまで土足で踏み入って、古傷を暴きたてる様な事はしたくなかった。
だから聞かない。聞く事があるとすれば、それはディアボロが自ら語った時だけだろう。
上条「(もう…そんな浅い仲でも無いんだ)」
上条「(例えどんな過去が出て来たって…今更、軽蔑したり、拒絶したりなんてしねーのにな)」
『全てを話せる』までには、
まだ『信頼』はされていないのかと考えれば、少しさびしく思う上条当麻である。
そう考えつつ、胡坐を掻き、少し哀しげな笑みを浮かべる彼の足もとに、
例の『オス猫』が寄って来て、何を思ったか組まれた足の上に、どっかりと座りこんだ。
それに、上条は苦笑して、猫の額をワシワシと撫でた。
しかし、上条は知らない。
『信頼』していても…いや、むしろ『大切な友人だと思う』からこそ、
『決して話せない』事もあるのだと。
今、彼に隠れて『手を汚す』算段を立てているディアボロの『過去』と、現在の『秘めたる事情』がそうである様に。
そして、彼と『10年来』の『親友同士』でありながら、上条に、その『裏の顔』を隠し続けている―――
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