663: 『挿話−4』:『学園都市』嵐警報!!――『空白』の4日間の話―― ◆K/7LL5shls[saga]
2011/04/08(金) 15:27:03.30 ID:KoDBN7oe0
―――『8月20日』『午後』
―――『御坂美琴/ジャイロ=ツェペリ』
御坂「明日…動き始めるわ」
御坂「そして……そのまま」
御坂「全てを終わらせて来る」
御坂は、既に5日も居候しているこの部屋の主にして、
自分の『師匠』でる『ジャイロ=ツェペリ』に、帰ってくるなりそう告げた。
それに対し、ジャイロは顔を顰めた。
顰めた理由は、御坂には良く解っている事であった。
今の様に告げれば、顔を顰められる事ぐらい解っていた。
だから、彼女はそのまま続けて、訳を彼に告げたのだ。
御坂「マスターの言う事は解っている」
御坂「『たった5日間』の訓練」
御坂「いくらその密度が濃密であろうとも…『回転』を極めるには余りに不十分」
御坂「そんな中途半端な状態で…『一方通行』に挑むつもりなのか…って事でしょ」
ジャイロ「『半分』は正解だな」
ジャイロは、寝ころんでいたカウチソファーから起き上がると、
玄関先の御坂へと歩き寄りながら話始める。
ジャイロ「お前は本当に良くやってると思うぜ」
ジャイロ「『ガッツ』が違うってーーか…必死さが半端ねーーつうか」
ジャイロ「むしろこの短い『5日間』で」
ジャイロ「よくぞあそこまで『回転』をモノにしたと…」
ジャイロ「褒めてやりたいね、実際」
玄関先で、靴も脱がずに立ちつくしている御坂の姿は、
本の『5日間』の短い時間を経ただけに過ぎないのに、
かつての御坂の姿とは、あらゆる意味で一変していた。
レザーコートに拍車付きのブーツといった、
余りにも印象の異なる恰好もそうだが、特に変わったのは『目』だ。
寝不足で、酷い隈をその下にたたえた、半目開きの彼女の双眸は、
どちらも限界まで血走って真っ赤であり、ある種の『熱』を持っている。
しかし、それでいて、瞳やどるのは、ギラギラとした、爆発寸前の炸裂弾の如き精気と闘気、そして鬼気である。
―――『覚悟』一つで、人間とは、これ程の短時間で、ここまで変われるモノだとは……
―――『超能力者』で合っても、根の部分では年相応の『女子中学生』でしか無かった御坂美琴は、
―――今や、『10年分の修羅場』を潜ってきた様な『凄味』を身につけていた
―――その『凄味』は、『漆黒の殺意』すら感じられるほどで
―――御坂が、その『人間性』すら、その果てに捨て去ってしまうのでは、と、ジャイロが心配する程に…
1002Res/367.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。