過去ログ - キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」 2
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63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2011/04/05(火) 22:51:40.35 ID:IFX5FSTFo

上条はキャーリサの手を握ったまま短く告げて、階段を駆け下りていく。
もう彼女から離れることなどしない。
身体が朽ち果てようと、意識が刈り取られようと、右腕の肉片一つとなるまで彼女を守り通す。
それが上条が与えられた役目であり、協力してくれている皆の気持ちに応えるということだと考えた。
知ってか知らずが、キャーリサもまた上条の手を強く握り返す。


キャーリサ「裏の庭園だったな、急ぐの!」


恐れなど微塵も見せぬ勇敢な王女の言葉は、意図せずとも三人に力を与えた。
囚われの王女を守りながらの脱出。
今後英国王室前代未聞の事件として密やかに語られるであろうこの状況下において、三人の行動は追ってくる本物の騎士達のそれよりも余程本職のようであった。


アックア「むっ……!」


階段を駆け下りた先、一階の回廊にてアックアが急に足を止める。


上条「どうしたアックア!」

アックア「行き止まりである……」


アックアが顎で指し示した進行方向には確かに堅牢な石の壁が立ち塞がっている。
宮殿内の見取り図はあらかた頭に叩きこんでいた上条だが、戻り道を間違えただけではないということはすぐに理解出来た。
そうでなくては、アックアがわざわざ立ち止まってまで行き止まりを宣告するはずもない。


キャーリサ「馬鹿な。ここは私の家だぞ、こんなところに行き止まりなど無いし。
       構わん、壁ごとブチ抜け」


今自分たちがどんな状況に置かれているかを考えるより早く、キャーリサは壁の破壊をアックアに命じる。
この不測の事態に見舞われた際の即座の判断能力もまた『軍事』のキャーリサの本領であった。


アックア「了解である」


アックアが目視出来ない速度でアスカロンを振りかぶったその時。
彼の視線は天井を捉えていた。



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