42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage]
2011/04/01(金) 21:19:09.65 ID:fEp2Uk9j0
澪は、黙ってしまった。
ボタンにかけた手には既に力はなく、澪の手を握っている私の手はほとんどその役割を失っている。
視線も私からそらしている。
さっきの澪、私の知らない顔をした。
私の知ってる澪がしない行動をした。
変な気分だ。嬉しいような、悲しいような。
この気持ち、経験したことあるな。
ん・・・・そうだ、思い出した。
澪が、私よりも背が高くなったのに私が気づいたときだ。
あのときもこんな気持ちだった。
私はあのときまで知らなかったんだ。
肩を並べてるときはきづかなかったんだ。
自分が知ってる澪以外にも、いろんな澪がいるってことにも、
この自分の中にある気持ちにも。
だから、きっと、私が知らない顔を澪をするって、悲しいことじゃないんだ。うん。
それに、幸いなことに私は今のこの澪の顔を知ってる。
自分の行動を、悔いているときの顔だ。
いろんな澪がいるんだ・・・。
時間とともに幼さは抜けるけど、それは失うだけじゃないんだ。
その欠けて空いた隙間の分だけ、色んなものがその隙間をうめるんだ。
澪自身も知らない間に。そして、もちろん、私が知らない間に。
それは、・・・・私にも言えることなんじゃないだろうか・・・?
いろんな澪がいるなら、いろんな田井中律もいておかしくはない。
田井中律、お前はどうしたい?
お前の好きな奴は、目の前で泣きそうで、なんとかしてやりたくなる顔をしてる。
お前はどうしたい?
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