過去ログ - 明るい魔まマ 魔法少女まどか☆マギカ 〜私の大切な人〜
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18:ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[sage]
2011/04/03(日) 01:34:50.11 ID:8GUEOo26o
 「うん。やっぱり女の子は笑顔が一番だ」
 「で、先輩はいつまであたしの頭を撫でてるのかな」
 「……ああ、ごめん。気を悪くしたなら謝るよ」
  芳文は慌ててさやかの頭から手をどかして謝る。
 「いや、別にいいんだけど。なんていうか、子供扱いされてるみたいでさ」
 「中学生なんてまだまだ子供だと思うけどな。図体ばっかでかくなっても親に頼らなきゃ生活出来ないし。俺も君達も」
 「そりゃそうかもしれないけど……って、いや、そうじゃなくて!!」
 「社君、あんまり美樹さんをからかったら駄目よ」
 「別にからかったわけじゃないんだけどな……」
 「所で先輩ってさ、女の子の頭撫でるの慣れてるの? 随分自然に撫でてくれたけど」
 「……ああ、妹がいたんだよ」
 「先輩って、妹がいるんだ」
 「ああ。性格がちょっとさやかちゃんに似てるかな」
 「へえー。ちょっと会ってみたいかも」
 「……それは無理だな。悪いけど」
 「……え?」
 「社君、いた、って……」
 「うん。もういないんだ。この世界のどこにも」
 「あ……」
  マミとさやかがばつが悪そうにするのを見て、芳文は明るく声をかける。
 「さあ、まだパトロールするんだろう? 行こう、二人共」
 「……そうね。行きましょう美樹さん」
 「……はい」
  三人は再び街中の探索に戻るのだった。

          ☆

  翌日もマミとさやかと芳文は放課後、三人で魔女や使い魔を探して街を探索していた。
 「今日もまどかちゃんは休みか。大丈夫かな?」
 「一応メールは打っておいたけど、返信がないんだよね。ホント、まどか大丈夫かな」
 「美樹さん、鹿目さんってもしかして体が弱いとか?」
 「いえ、まどかは別に体が弱いとかそういうのないですけど」
 「……そう」
  さやかの返答にマミは俯く。
 「まあここ数日で色々あったし、しょうがないさ」
 「……そうね」
 「そういや、淫獣は? 昨日今日と見かけてないけど」
 「僕は淫獣じゃないよ」
 「あ、キュゥべえ」
  建物の影から出てきたキュゥべえが、さやかの肩の上に駆け登る。

 「丁度良かった。ねえ、キュゥべえはまどかの所にいたんでしょ。まどかの体調どうなの?」
 「まどかなら、肉体的には健康そのものだよ」
  さやかの問いかけに、いつものポーカーフェイスで答えるキュゥべえにマミが尋ねる。
 「……キュゥべえ、それはどういう意味なの?」
 「そのままの意味だよ。まどかは精神的に参ってるって事」
 「それはこの前の魔女戦のせいか?」
 「おそらくそうだろうね。マミや君があの魔女に喰い殺されそうになったのが、相当ショックだったんだろうね。あの日の夜も随分うなされていたし」
 「……それで、おまえさんはどうしてたんだ?」
 「とりあえずまどかが落ち着くのを待ってから、契約するかどうか聞いたんだけど、怖いから嫌だって泣きながら拒否されたよ」

 「おい!! 慰めるてあげるとか他に出来る事あるだろうが!! まどかちゃんがそんな状態の時に契約を持ちかけるってお前に人の心はないのか!!」
  芳文がキュゥべえの態度に怒って、鷲掴みにしようとするのをマミが腕を掴んで制止する。
 「社君、キュゥべえに当たってもしょうがないわ。それに元々、彼女には命を懸けてまで叶えたい願いも魔女と戦わないといけない理由もないんだから……」
  マミはどこか寂しそうにそう言うと、さやかに向き直りさやかの目をじっと見つめながら語りかける。
 「美樹さん。あなたも契約をするかどうかは慎重に考えてね。あなたの願いが本当に命をかけてまで叶えたい願いなのかどうかを」
 「あなたは人の為に願いを使おうとしているみたいだけど、それでもし、あなた自身が報われなかった時の事もしっかり考えて。その場の感情だけで契約しては絶対に駄目よ」
 「……わかりました」
  マミの言葉にさやかはしっかりと頷いて答える。
 「僕としては契約してくれるならどんな願いでもいいんだけどね」
 「てめえは少し黙ってろ淫獣」
  空気の読めないキュゥべえの頭にぎりぎりとアイアンクローを芳文はかましてやる。
 「痛いよ」
 「だったら余計な事を言うな」

 「……そうね。キュゥべえはもう少しデリカシーと言う物を持った方が良いわ。さあ、今日はここまでにして解散しましょう」
 「そっか。それじゃ二人とも家まで送ってくよ」
 「大丈夫よ。まだそんなに遅い時間じゃないから」
 「あたしも大丈夫。ここからなら家近いから」
 「そう? まあ無理にとは言わないけど」
 「ありがとう、社君」
 「それじゃ、マミさん、先輩、また明日」
 「うん、また明日」
  キュゥべえを肩に載せたまま、さやかが手を振って去っていく。
 「じゃあ、私もここで」
 「ああ、また明日」
 「ええ」
  マミも踵を返して去っていく。マミの背中が少し寂しそうに見えたが、芳文はマミとまどかに何があったのか知らないので、マミにかける言葉が見つからなかった……。



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