過去ログ - 明るい魔まマ 魔法少女まどか☆マギカ 〜私の大切な人〜
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21:ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[sage]
2011/04/03(日) 01:39:05.76 ID:8GUEOo26o
 「あ、あああ……」
  まどかががたがたと震えだす。先日の恐怖がまだ抜けていないのか、まどかは顔面蒼白になっている。
 「大丈夫。何とか俺達の居場所は巴さんに伝えたから。すぐに巴さんが来るからね」
  怯えるまどかを安心させようと、優しく話しかけたその時、周囲の物陰から黄緑色の毛玉が複数現れた。
 「使い魔か!! くそ!! こんな時に!!」
  毛玉の中心に一本の切れ目が入りぐぱあっと上下に開くと、不規則に並んだ鋭く尖った歯が生えているのが確認出来る。毛玉はブルブルと震えると、芳文達目掛けて噛みつこうと飛んでくる。
 「ちっ!!」
  芳文は毛玉の側面を裏拳で殴りつける。殴り飛ばされた毛玉はぽよんぽよんと地面を跳ねて転がると、何事もなかったかのようにまたブルブルと震えて飛んできた。
 「くそっ!! せめて何か武器があれば!!」
  再び飛んできた毛玉を、先ほどの一撃と同じように裏拳で叩き落とすと、まどかの手を掴んで走り出す。
 「巴さんが来るまでの辛抱だから!!」
 「は、はいっ!!」
  囲まれる前に別の場所に逃げようと走り続ける二人。
 「あっ!?」
  だが使い魔から逃げる途中で、まどかがでこぼこした地面につまずいて、転びそうになる。
 「まどかちゃん!?」
  慌てて、まどかの体を支えると使い魔がまどか目掛けて飛んでくる。
 「くっ!!」
  バシュッ!!
  まどかを庇った芳文の左肩が使い魔の歯で切り裂かれ、血が噴き出す。
 「まどかちゃん行くよ!!」
  自分を庇ってケガをした芳文に対して、言葉が出ないまどかの手を掴むと、再び走り出す。
  結界の中を進んで行くと途中大きな斜面に出くわした。背後からは使い魔が迫る。

 「道がない……。ど、どうしよう……」
 「……まどかちゃん、目を閉じて、しっかり歯を食いしばるんだ」
 「え?」
 「早く!!」
 「は、はい!!」
  芳文に叱咤され、まどかは慌てて指示に従う。芳文はまどかを抱き寄せお姫様だっこの体勢にして、まどかが怪我を出来るだけしないように抱きしめながら、大きな斜面に飛び込んだ。
  ズザザザザザザザザザザザ……。
  背中を斜面で削られながら、芳文はまどかにケガをさせないよう力を込めて抱きしめたまま、斜面を滑り落ちていくのだった……。

                                                                                             つづく



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