過去ログ - 明るい魔まマ 魔法少女まどか☆マギカ 〜私の大切な人〜
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45:ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[sage]
2011/04/03(日) 02:23:27.08 ID:8GUEOo26o
 「うーん。ノリが悪い子だなあ。お兄さん困っちゃう」
 「……もういいかしら?」
  ほむらは背を向けて去ろうとするが、ほむらの背中に芳文は声をかけて引き止める。
 「あれ? もう帰っちゃうの?」
 「……」
 「せっかく来たんだからまどかちゃんに会っていったら? すぐ近くにいるから呼ぶよ。ほら、あそこに」
 「余計な事をしなくていいわ」
 「だって、せっかくここまでストーキングしてきたのに」
 「あなたはそんなに早く死にたいのかしら」
 「ごめんなさい」
  ほむらは呆れたようにひとつため息をつくと、芳文に問いかけた。
 「あなたは普段からそんな風に振る舞っていて、疲れないのかしら?」
 「……何の事かな」
 「別にいいわ。私には関係ない」
 「そっちこそ、クールなふりしてんの疲れない?」
 「何の事かしら」
 「別に。あっ!? まどかちゃんが溺れてる!!」

 「!?」
  バシャアアアアンッ!!
 「なーんちゃって。別に泳いでるわけじゃないから溺れるわけないしね。やっぱなんだかんだでまどかちゃんが気になってるんじゃないか」
  まどかを助けにプールに飛び込んだほむらに対して、芳文は苦笑いしながら呟く。
 「さてと、あの子が戻ってきたら何て言って謝ろうか……。やっぱりビンタのひとつふたつ、甘んじて受けるべだよなぁ……」
  天を仰ぎながら呟く。
  バシャバシャバシャ……!!
  視線を下してまどかの元へ向かったほむらの姿を探すと、まどかは一人でプールの中を歩いている。
 「あれ? もうそろそろまどかちゃんの所に着いててもおかしくないだろうに」
  バシャバシャバシャ……!!
 「さっきからすごい音がしてるけど、なんだ?」
  芳文がプールの中を確認すると、ほむらが溺れていた。

 「っ!? おいおいっ!!」
  バシャーン!!
  芳文は慌てて飛び込むと、水の中でもがいてるほむらの側に速攻で辿り着き、ほむらのおなかに手をまわして、顔を水面に出してやる。
 「ぷはっ!!」
  バシャバシャバシャ……!!
 「ちょ、暴れないで!! すぐ外に連れてくから!!」
  暴れるほむらに殴られ、ひっかかれながら、芳文はほむらを抱きかかえてプールの隅までたどり着く。
 「ごめん。まさか君が泳げないとは思わなくて」
 「……」
  プールから上がってから、ほむらは背を向けて座り込んだまま、黙り込む。
 「でも、なんだかんだですぐに駆けつけようとする辺り、やっぱりまどかちゃんの事を大切に思ってるんだね」
 「……」
 「……その、本当にごめん。悪かったよ」
 「……」
 「……せめて何か言ってほしいな」
 「……」

 「そうだ、お詫びに泳ぎを教えてあげようか」
 「……必要ない」
 「そう? まあ無理にとは言わないけど、泳げた方が色々便利だよ」
 「……人間は浮くように出来ていない」
 「いやいや、浮くって。それに女の子なら、男にはない二つの浮き袋があるから浮くはず……」
  そう言ってから、さっき正面から見たほむらの水着姿を思い出す。
  ――悲しいくらいに絶壁だった。
 「暁美さん、元気出して」
 「……あなたに言われたくないわ」
 「俺の母親も小さかった」
 「……あなたは何を言っているのかしら」
 「そりゃあもう、悲しいくらいに小さかったけど、一応俺を産んで母乳で育てたんだ。だから小さくても大丈夫だよ」
 「……」
  プルプルとほむらの肩が振るえている。
 「あれ? どうしたの震えたりして。 トイレなら早く行った方がいいよ」
 「っ!!」
  ほむらは立ち上がると芳文を睨みつけ、そして。
  パアーンっ!!
  とうとうキレたほむらは芳文を平手打ちした。
 「……っ!?」
  左の足首に痛みを感じ、体制を崩す。
 「おっと」
  芳文はほむらの身体を受け止める。
 「大丈夫? 溺れた時に足がつったのかな」
 「……放して」
 「ん? ああ、ごめん」
  芳文はほむらを座らせる。


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