過去ログ - 黒猫「まったく、とんだクソゲーだわ」
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2: ◆49H2QUBi7VEi[sage saga]
2011/04/03(日) 14:33:07.66 ID:f/1U2MCOo
誰もいない部室。

電気はつけずに窓から入ってくる月明かりで、

室内は物がわかる程度には明るかった。

わたしはいまや自分の指定席になった場所に座って

真っ暗になった外を眺めていた。

「ふふ……ようやく闇の眷属たるわたしの時間がやってきたようね……」

とりあえず声を出してみる。もう声は震えてはないようだ。

嗚咽もとまった。

足の震えもとまった。

涙も……やっととまってくれた。

手のひらを広げてそっと視線を落とす。

「いつぶりかしら……この力を手加減なく使ったのは」

いまはもう感じないけれど、使った直後は手のひらがずいぶん痛かった。

小学校低学年のころ。

本気で取っ組み合いのケンカをしたような気がけれど、それ以来かしら。

この手で人を本気で殴ったのは。

「ふん……闇に食われてしまえばいいのよ」

ここにはいない、殴った相手へ恨みをこめながらつぶやく。

迷惑なほどおせっかいで、

あきれるほど自分を犠牲にして、

「あんな……あんな……!!」

こんな自分にかまってくれるほど優しくて、

「あん……な……!!」

どうしようもなくシスコンな……

『彼女』よりも『妹』選ぶようなあの人に。

「きょぅ……すけぇ……」


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