過去ログ - 黒猫「まったく、とんだクソゲーだわ」
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63: ◆49H2QUBi7VEi[sage]
2011/04/29(金) 23:06:58.48 ID:ZEfyVaGMo
「ぁ……はい、ありがとうございます。……それから」

目の前の少女は、新垣あやせは深く頭を下げて言葉をつなげた。

「桐乃と、お兄さんのことを……私じゃできないことをよろしくお願いします」
「……顔を上げて頂戴。あなたにそこまでしてもらう覚えはないわ」
「でも……わたしじゃ……!!」
「それに”私の友達”を助けるのに、”あなた”が頭を下げる必要はないでしょう?」

よくよく考えてみればこの娘にお願いされるまでもない話だ。
それに今日は桐乃の話を聞くためにやってきたのだから、
この娘がどうのこうの言わなくても、私は桐乃の相談に乗ることになる。
もちろん、こちらからの言いたいことや聞きたいことの清算させてもらうけれど。

「……ああ、そういえば」
「はい?」
「ちゃんとした自己紹介がまだだったわね」
「……言われてみれば」

夏に会ったときはまともに自己紹介なぞできる雰囲気ではなかったし、
今回も今までそれを引きずって避けていた。
でももうお互いに避ける必要はなくなった。
むしろ共通の話題と、共通の痛みを持つ同類になったのだ。

「改めて、はじめまして。五更瑠璃よ」

右手を差し出す。
桐乃よりも背の高い彼女にあわせると、どうしても少し手を上げる形になってしまう。

「こちらこそ、はじめまして。新垣あやせです。あやせでいいですよ」

あやせが私の手をとる。
手をとってから、ひじの位置をずいぶん下げてくれた。
思った以上に気の利く娘のようだ。

「あの女がどう呼んでいるかはしらないけれど、好きに呼ぶと良いわ」
「あはは、それじゃあ、瑠璃さんで。たしか、年上でしたよね?」
「ええ。……なによ?そうは見えないとでも言うの?」
「いえ、そんなことは。年相応に見えないのは加奈子で慣れてますから」
「……それも癪だわ」
「まあ、まあ。あ、番号とメアド教えてもらっていいですか?」
「へ?え、ええ。かまわないけれど」


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