過去ログ - 黒猫「まったく、とんだクソゲーだわ」
1- 20
79: ◆49H2QUBi7VEi[sage]
2011/05/09(月) 23:01:51.32 ID:7cPTVSf1o
「……ありがとう」
「お礼を言われる筋合いはないわ」
「それでも!!……ありがとう」
「……どういたしまして」

少しだけ涙を浮かべてお礼を言う桐乃に対して、私は精一杯の笑顔でそう返した。



「あー……なんか悩んでたのが馬鹿みたい」
「馬鹿みたいじゃなくて、馬鹿なのよあなたは。大馬鹿よ。弩阿呆よ」
「ああ、もうわかったから!十分にわかったから!!リピートしなくて良いっつーの!!」
「あら?さっきのはフリではなかったのかしら?」
「違う!!」

そんなやり取りをこのあと十数分してから、店を出た。

「それにしても、ケーキ3つとかあんた食べすぎっしょ?」
「さっきも言ったでしょう?少しは脂肪でもお肉でもつけておきたいのよ」
「それ、あんまり女の子同士の場所で言わないほうがいいよ?」
「私からしてみれば、女性らしい体をしていてうらやましいのだけれど……」

ないものねだりというやつかしら。
まあ忠告は素直に聞いておこう。

「今度さ……また、一緒に遊びに行こうよ」
「ええ……4人で……ね」
「……うん」
「まあ、その前にもう1人話しておかないといけない、大馬鹿がいるわね」
「はは」

桐乃が困ったように笑う。
実際困っているんだろうけれど、これは省けない工程だ。

「……安心なさいな、GWまでにはケリをつけるわ」
「なんか終盤の決戦イベントみたいなノリじゃない?」
「似たようなものでしょう?」

そう、これは私にとっての決戦イベント。
闇の力に魅入られたかつての仲間を取り戻す重要なイベントだ。

「はぁ……私は取り戻される側だと思っていたのだけれど」
「何の話よ?」
「こっちの話よ」

仲間のためにソロで命を張るイベントとも言えるのだから、ある意味私の最大の見せ場かも知れない。
1年前の、ぼっちだった私では考えられえないイベントだ。
それにしてもこの兄妹には振り回されてばかりだ。

「ねぇ、どうしたの?さっきからニヤニヤして。ちょっとキモイんですけど?」
「……さっきまでのしおらしさと、半泣き顔が嘘のようね。さっき言ったこと全部撤回していいかしら?」
「ごめん!うそ!だからそれは勘弁して!」
「さぁて?どうしようかしらね〜」
「あ、ちょっと!待ちなさいよ!」

すぐに捕まえてしまえるのに、桐乃は私のあとをゆっくり、笑いながらついてきた。
そう……私はまた、”こんな風”にいたかったんだ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
167Res/115.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice