118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/04/05(火) 15:45:35.07 ID:4ifoqh4DO
血抜きを済ませ、下味を付けた新鮮な肉を油を引いたフライパンで炒める。中まで火が通るように弱火でじっくりと。
「とーま…っ……」
「ふんふふーん…♪」
久々に嗅ぎ取った肉が焼ける香ばしく芳しい匂いに、鼻孔が自然と開いた。
程良く焦げ目がつくまで焼いて、皿に乗せる。堪らず唾が沸いてくる光景だが、まだ未完成だ。ソースを作らなければ。
「…あ……私の…手…」
「待ってろビリビリ、お前にも食べさせてやるからな」
葱とニンニクを刻み、フライパンに残った脂と絡めながら炒める。肉とは違った食欲をそそる香りを上条は胸一杯に吸い込んだ。
肉の旨味を吸収し、脂っこさを紛らわす最高のソースとなることだろう。
「……よし、出来ましたっ」
ソースを湯気の立つ肉に上から掛けて、「御坂美琴の手料理」は完成した。一人一個。上条とインデックスの分だ。
「では頂きます……インデックス、食べないのか?」
「……………」
普段はあれほど食欲旺盛な彼女が一切端に手を付けない。不思議に思いながら、肉をむしり口に運んだ。
「…私の…手…っ……」
「まずっ」
パサパサして素っ気ない。ソースとも全く合わない。上条は口に含んだ肉片を、慌てて流し台へと捨てた。
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