過去ログ - 暁美ほむら「最後に残った道しるべ」
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135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga ]
2011/04/14(木) 23:52:24.24 ID:+Z74FcgT0
「私なんかでも、本当になにかできるの」

まどかはワルプルギスの夜という巨大な絶望を眺めながら、言った。
歯車の怪物に対する自分は、あまりにもちっぽけだ。

「こんな結末を変えられるの」その声に情感がこもる。


「もちろんさ!」キュゥべえの弾んだ声が答えた。「だからボクと契約して───」


悪魔の一言が告げた。表情はかわらないで、尻尾と首だけ陽気に振って。


「魔法少女になってよ!」


運命の核心。そのキュゥべえの声が空虚に響きわたり、世界の音を奪っていった。
まるで、まどかの決心を世界が待っているように。静まり返り…。


静謐としている。


魔法少女になる。
それが意味するのを考えると、まどかの心が一気に弱気になる。
もし自分がそうなったらの未来を想い、悲しげに目を落とす。


しかしそれは、本当の気持ちを奮い立たせる前のほんと気の迷いだ。
決意するための、バネみたいなものだ。


誓ったように心を決めた闘志がまどかの瞳にやどる。


その終末のとき、そよ風が静かにふいて、まどかの髪を小さく揺らした。
もう迷いはない。

そよ風は、そのまどかの心情を表すようだった。




そして。

魔力がまどかを包み込んだ──────。




悲しい命運を全て受け入れて。


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