過去ログ - 暁美ほむら「最後に残った道しるべ」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2011/04/08(金) 22:53:26.77 ID:4+5uQgBh0
しかし、そのタイミングを見計らってインキュベーターは。
この少女の弁解を諦めた代わりに、自らの目標達成のための本題を切り出した。


「まどか。君は今夜、この町に何が起こるか知っているかい。」

「やめて!」まどかは叫んだ。両手で耳を塞ぐ。「もう聴きたくない!」

「今夜この町に、ワルプルギスの夜がやってくる。」

インキュベーターの声は、耳を塞いだまどかの脳裏に直接響いてくる。

最初からこの声から逃げる術はなかったのだ。
思えば、初めて出会った、あの時から。

「ああああっ…!」

まどかの絶叫が、部屋じゅうにこだましても、聞こえてくる声は呪いのように止まない。

「ワルプルギスの夜は今まで最強最大級の魔女だ。今夜、ワルプルギスの夜によって、
この街はそのほとんどを破壊されてしまう。」


どうして……そんな…ひどい…。絶望の連鎖が止まらない。


「君の家族も、学校のクラスメートも、街の人々も、このままでは助からない。
でもこの町に残された魔法少女は、暁美ほむらただ一人だけだ。彼女一人だけでは
荷が重過ぎる。彼女もそれを覚悟の上で戦うだろうけど、恐らく、暁美ほむらも今日の
闘いで死んでしまうだろう。」


もう……やめて…よ……。
あなたは、どうしてそんなひどいことばかり……するの。


「でも、君が魔法少女になれば別だ。君が魔法少女になれば、みんなを救えるかもしれない。
ワルフルギスの夜を打ち倒せるかもしれない。まどか。契約の準備は、いつでも
できているからね。」



行く先の未来が絶望に染まり、先のない闇になったとき。

放心したまどかは。まるで一瞬、神のいる天国と通じたような、奇妙な、
でも神秘的な感覚を覚えて。


自分の運命を悟った。

悪魔から啓示を受けたように。


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