23: ◆YwuD4TmTPM[saga]
2011/04/14(木) 22:42:18.93 ID:z22boMOd0
Dボゥイとアキが移動を開始する数分前。
まどかもまた、さやかと共に立ち入り禁止区域の工事現場を走り抜けていた。
頭の中をぐるぐる巡るのは、たった一つだけだ。
――どうしてこんな事に!?
学校からの帰り道、さやかちゃんが上条君に送るCDを買うのをいっしょにやってたわけで。
そして、試聴コーナーで良さそうな曲を聴いてたら『声』が聞こえたわけで。
声に従って歩いてたら、突然白い獣(?)が落ちてきたわけで。
それを狙っていたっぽいのが転校生の暁美ほむらちゃんなわけで。
そんなとき、さやかちゃんが消火器で颯爽と助けに来てくれたわけで。
それで、こうして全力疾走で逃げてるわけで。
うん、わけがわからないよ!
ある意味現実逃避にも近いセルフツッコミをかましながらも、まどかの足は止まらずにいた。
いたが、そろそろ限界だ。元より体育はからきしというほどではないがかなり苦手な部類ではある。
そうでなくとも、中学二年生の女の子が全力疾走で走り抜けられる時間なんてそう長くはない。
隣のさやかも似たようなものだったようだ。こちらがペースを緩めたのを認めると、共に立ち止まってぜいぜいと息を切らしていた。
「……ったく。あの転校生、何考えてるんだっての」
ばくばくと暴れる心臓を宥め賺しながらも、さやかは悪態をついた。
「秀才とか天才とかと変人は紙一重だっていうけどさ。コスプレして通り魔なんてのはそんなもんで片付けられないわよ」
反論するにもこちらはさやかの倍は息が上がっていたので、まともに喉も動きそうになかった。なので、代わりに心の中でつぶやく。
(……でも、私にはほむらちゃんが悪いことを考えてるようには見えなかったけど)
思い起こすのは、キッと強い瞳でこちらを見据えるほむらの顔だ。
鬼気迫るものを感じたのは確かだが、不思議と邪な感じはしなかったのだ。
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