55: ◆YwuD4TmTPM
2011/04/21(木) 22:40:22.01 ID:hOamhiE60
治療といっても、彼女の治療は医療キットを使うようなそれではない。
マミがキュゥべえに手をかざすと、淡い光が漏れてみるみるうちに白い獣の傷がふさがっていく。それは、本当に魔法のようだ。
やがて全ての傷が癒えるとキュゥべえはその四本の足ですっくと立ち上がった。
『……ふぅ。ありがとうマミ。助かったよ!』
頭から漏れるのは少年のような声。
それは、Dボゥイがデパート内で聞いたそれと同じものだ。
「ふふ、どういたしまして。でも、まずは私よりもこの子達とあの騎士さんにお礼を言うべきじゃないかしら? キュゥべえ」
『おっと、これは失礼したね』
そして、その白い獣はまどかとさやかに向き直った。
『ありがとう、まどか、さやか』
最後に、Dボゥイ――既にテックセットは解除している――とアキの方にその紅い瞳を向けると、
『……そして、ありがとう。テッカマン』
「…………」
無言のまま、Dボゥイとキュゥべえは視線を交錯させる。
なぜ、この獣が自分のことを知っているのか。
だが、その思考はさやかの素っ頓狂な叫びで中断された。
1002Res/570.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。