911: ◆YwuD4TmTPM[saga]
2012/05/02(水) 22:47:19.05 ID:1YDPLlm70
『シンプルに行こう。お前本丸を叩く役。あたし有象無象をなんとかする役』
『……大丈夫なの?』
心配げなさやかの声にも一理はある。
同じスピードを武器とする者同士でも、防御に優れるさやかとは対照的に、杏子は攻撃を追求したスタイルだ。
本来ならば、こちらから攻めるのは得意でも守るのは不得手なはずである。
『お前じゃそそっかしいから何匹か見落とすだろうしよ』
『……むか。じゃあいいわよ、とっとと取って返して助けに行くから待ってなさいよ』
『おうおう、ゆっくり待っとくぜさやか』
いつもながらの口喧嘩じみたやり取りをしながら、一瞬――ほんの一瞬だけ、二人は視線を交わし合う。
『――――』
『――――』
言葉はいらない。
ただ、それだけで意思を通じさせるには十分だからだ。
故に、その一瞬後、
『それじゃ――』
『おっ始めるぞ!!』
二人は、それぞれの目標へと疾走した。
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