過去ログ - 魔法少女まどか☆ブレード
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941: ◆YwuD4TmTPM[age]
2012/06/17(日) 23:16:05.79 ID:WtY48RhT0
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 瞬時に、杏子は動いていた。
 頭では未だ逡巡が残っていたが、それを為せたのはひとえに杏子が積み上げた魔法少女としての戦いの経験によるものだろう。
 手首のスナップで多節展開した槍をしならせ、横薙ぎに打ち払う。
 たったそれだけの動作で、鋭い曲線を描いて飛ぶ石突はまるで独自の意思を持っていたかのように、オクタヴィアの腕に巻きついた。
 
(――とったっ!!)

 確かな手応えと共に確信する。
 多節槍による戒めは、そう簡単に解くことはできない。がっちりとロックされ固定されたそれは、テッカマンより数倍巨大な魔女であろうと束縛できるだけの強度を持つ。
 そうして束縛してから、槍の穂先で確実に仕留める。彼女の勝ち筋のひとつだ。
 勝利の予感と共に、杏子は大きく跳躍し――。
 
 次の瞬間、視界が大きくブレた。
 
(――な!?)

 吐き気がするような浮翌遊感と酩酊感。
 それら二つを同時に感じながら、杏子は反射的に受け身をとる。
 そして、刹那の後に襲いかかった背中の衝撃に、ようやく自分が投げ飛ばされたのだと自覚した。
 攻撃のチャンスを逃してしまったのは失策だし、致命的なミスではあったが、そうでなければ地面に叩きつけられて致命打を受けていただろう。


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