977: ◆YwuD4TmTPM[saga]
2012/07/12(木) 00:13:40.12 ID:iGm+r6rR0
Dボゥイは黙して答えない。
既にキュゥべえはさやかを魔法少女でなく、テッカマンとしてしか見ていないのは明白だった。
魔法少女にでなく、テッカマンであるDボゥイに対してのみ聞いているのもそのためだろう。
『僕としては、美樹さやかの排除を頼みたいんだけどね』
「――てめえっ!!」
「佐倉さん。今は落ち着いて」
激高した杏子を宥めると、マミは横目でDボゥイを見る。
『……まあ、いいや。僕がやるべき事はやったし、後は君たちの好きにするといい』
答えを待たずにキュゥべえが去った後も、しばらく何かを考えているかのようにDボゥイは目を伏せていた。
「……俺は、全てのラダムを滅ぼす」
「――!」
ザッ――と音を立てて、発条仕掛けのように杏子が身構える。
だが、Dボゥイは続けて口を開いた。
「だが――釈然としない部分があるんだ」
「それって……?」
「さやかの攻撃を受けた瞬間だ。
テッカマンは、通常増幅されたエゴによって、衝動はより強くなっているはずなんだが……。
――どういうわけか、あの時のさやかからは、殺気どころか何の感情も何も感じなかった」
「つまり、さやかは元に戻せるかもしれないってことか?」
「そこまではわからない。……ただ、今の彼女はラダムテッカマンとも、魔女とも違う存在だ。何かしら、俺達がまだ見つけていない突破口があるかもしれない」
「それだけわかれば十分だ!」
さっきまでの不機嫌が嘘のような上機嫌ですっくと立ち上がる杏子。
だが。
「――それは、それだけのリスクを払うだけの価値があるものなの?」
そんな杏子を制するように口を開いたのは、黒衣の魔法少女、暁美ほむらだった。
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