過去ログ - レイラ「さようなら、真賀田博士」
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/09(土) 03:43:03.99 ID:bjkclqc70

「ねえ、どうしたの? 気分でも悪いの?」

「ううん、パーティーが苦手なの」

レイラたちより少し年上の女の子が、心配そうに声をかけてきた。後ろの方では長髪を後ろで縛った少年が手持無沙汰にしている。

「少し休んでいたら? これから、まだ人、増えると思うし」

「だいじょうぶ、ちょっとしたら、なれるから……」

「ううん、レイちゃん、そうしよ」

「……うん」

素直に従い、レイラは壁際の椅子に腰かけた。

「あ、クリス」

「飲み物、持ってきた」

「ありがとう」

ちら、とクリスは女の子を見て、レイラの隣に小さなテーブルを運び、グラスを三つ置いた。一つ手に持って、壁にもたれるようにして立つ。

「岩崎亜衣です。教授……夢水清志郎がこのパーティに招待されて。あっちで料理食べ尽くしてますけど」

「クリスです」

「雪森りんごです。こっちは高城レイラちゃん」

「笹原名月です」

「亜衣、余計なこと聞くなよ」

「これ、レーチです」

「麗一だ」

「余計なことってなによ」

「お前今、誰が招待されたのか聞こうとしたろ」

「ごめんなさい、招待されたのはわたしです。よろしくおねがいします、亜衣さん、麗一さん」

亜衣は少し驚いた表情で、レーチは無表情だった。少女たちの誰かが招待客だと、予想していたのだろう。

だとすれば、わざわざパーティが苦手な友達を連れてくることもないはず。ある程度、レイラがそうだと導ける。

天才・真賀田四季に招待されるような少女が、パーティが苦手。

少なからず他人よりも、抜きんでて秀でたところを持つだろう少女。まだ会場には二組しかいないのに、パーティという空気だけでここまでつらそうなのだから。

これまでの人生、自分がその能力を有することで、かなり苦痛を覚えてきただろう――そう、計算できる。

それは決して理解には至らないものだが、彼なりの気遣いとも言えた。


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