113: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/04/13(水) 20:46:27.83 ID:awUMhXhYo
*
夕日に染まる街。買い物を終えた二人は、途中まで一緒に帰ることにした。
そして分かれ道。ここから先は、別々の道を通って家路につく。
「じゃあね、ほむらちゃん。またね」
「さよ……」
さようなら、と言いかけて一瞬ほむらは言葉を切った。
「どうしたの、ほむらちゃん」
「またね」
「うん、またね」
ここで「さよなら」と言ったら、二度と彼女に会えないような気がしたから。
しばらく歩くと、道に長い影が見えた。見覚えのある影の形。目を上げると、そこには、
長い髪を後ろに束ねた、ショートパンツ姿の活発そうな少女がいた。
彼女の手には、よっちゃんイカの袋があった。
ほむらはその少女のことを知っている。
「アンタが暁美ほむらかい?」
少女もほむらのことを知っているらしい。しかし、少なくとも“この世界”では初対面だ。
ほむらは彼女の名前を口に出す。
「佐倉杏子……」
「アタシのことを、知ってるのか?」
「そうね、あなたの目的もだいたいわかるわ」
「驚いたね。やっぱり、あの白い奴が言った通り、あんたはイレギュラーな存在だよ」
「そう」
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