25: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/04/09(土) 20:54:50.19 ID:y4wKISZKo
病院の廊下を歩きながらさやかは思案する。
そうだ、私が魔法少女になれば――
願いごとは、恭介の身体が元の、ヴァイオリンの弾ける身体に戻ること。
今、さやかの恩人とも言える巴マミは入院しており動けない。魔力の消耗によって、
体力も低下している。魔力の回復には魔女の持つ卵、グリーフシードが必要だが今の
マミにはそんな力は残っていないだろう。
自分が魔法少女になってマミの代わりに戦えば……。
恭介も救うこともできるし、マミの力にもなれる。親友のまどかは、あの性格だから戦いには
向かないだろう。だから、自分がやるしか……。
さやかは昨日から行方不明のキュウべえを探すことを考えた。
あいつと契約して、絶望している恭介を助ける。
「どこへ行くんだい?」
ふと、何者かが声をかけてきた。聞き覚えのある声だ。
「あなたは……」
そこには長袖のシャツにジーンズ姿のイチローがいた。
「たまたま見かけたものでね」
「あなたには、関係ないことです。あいつ、暁美ほむらはどうしたんですか?」
「今日は別行動だよ。いつも一緒にいるわけじゃない」
「そうですか。では、私はこれで」
さやかは、イチローと目を合わせないように通り過ぎようとした。
「まさかとは思うけど――」
「……」
「キミは、キュウべえと契約しようとしているのかな?」
「!!」
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