73: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/04/11(月) 20:45:22.64 ID:YSX7FtLEo
そう言うと、ほむらは腕についた円盤からバットを取り出す。
バットを受け取ったイチローは、魔女の待ち受ける空間の中心部へと向かった。
一瞬放たれる黒い霧、それと同時に複数の黄色いリボンがイチローの手足に絡まった。
「ぐっ!」
動きを封じられるイチロー。
「イチローさん!」まどかが叫ぶ。。
追い討ちをかけるように、イチローに絡まった黄色いリボンがじわじわと黒く染まっ
ていく。
《あれは不味いね》脳裏に響く声。
「生きていたのね、キュウべえ(チッ)」
ほむらの舌打ちが聞こえた気がしたけれど、まどかは聞かなかったことにした。
爆発に巻き込まれたのかと思われたキュウべえは、とくに傷を負った様子もなく、
四本の足でしっかりと立っている。
《あのリボンから、直接恨みや妬みなどの負の感情が流しこまれる。魔法少女ならともかく、
普通の人間があの攻撃をうけて耐えられるはずがないよ》
「そんな……」動揺するまどか。
しかしほむらは平然としている。
「……甘いわね」
そしてポツリと、小さく言葉を発した。
「え?」
ついに、イチローに絡まったリボンがすべて黒くなった。
ひと目で不味い状況だとわかる。
「うおおおおおおおお!!!」
イチローが、今まで聞いたことのないような叫び声をあげた。
これは本格的に不味いのか。不安になるまどか。
しかし次の瞬間、イチローの身体は黄金色に輝きはじめたのだ。
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