過去ログ - 百合子「これで私の130連勝ね」美琴「128勝2引き分けよっ!訂正しなさいっ!」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2011/04/18(月) 02:53:24.46 ID:hflxQzlu0
帰途に着こうとバス停の前に立ったはいいものの、その時刻表は無慈悲にも、彼が住む学生寮への路線バスの最終便が、つい先程行ってしまったことを記していた。
仕方無しに、暮れ始めの夕焼けの空の下、徒歩では結構な時間がかかる距離をとぼとぼと歩き出す少年。
だが、ほんのちょっと歩き出した直後、そんな少年を嘲笑うかのように、彼の靴にグチャッとした嫌な音がして、足に粘着物がまとわりついた。

「うえっ…今度はガムかよ…全くもって不幸だ……」

常人ならめげてしまうような立て続けに起こる災難。
しかしこの少年はもはや慣れてしまっているのか、手なれた風にポケットからティッシュを出すと、さっさと右手で拭き始める。
一見なんの変哲もない少年の右手には超能力とは違った、とある力が宿っている。今現在も彼に起こり続けている不幸の嵐は、他らならぬその右手のせいであった。
もっとも、そんなことを知る由もない少年は、生まれてから一度も手を差し伸べてくれない幸運の女神に心の中で悪態をつきながら、なかなか取れないこびり憑いたガムと悪戦苦闘を続けていた。
そこに、すっと綺麗なレモン色のハンカチを持った白い細腕が、彼の目の前に差し出される。

「よっ、相変わらず景気の悪い顔してるねっ! 当麻君」

彼が見上げると、そこには、先程まで河川敷で決闘まがいな事をしていた白い髪の少女が、ニコニコと邪気のない笑顔を浮かべながら立っていた。

「百合子か。あいにく上条さんは景気が悪いどころかリーマンショック級の不幸真っ最中なんですよ。ってそのハンカチは…?」

当麻と呼ばれた少年は仲の良い知り合いなのか、白い少女を自然に百合子と呼び返す。
その言葉一つだけで喜色を浮かべた彼女は、その真っ白な頬を照れからか、うっすらとほのかに桃色に染まらせる。
対照的に少年は沈んだ暗い表情を浮かべたまま、白い少女から差し出されたハンカチにふと疑問を呈す。

「そんなティッシュだとなかなか取れないでしょ? だからあげる」



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