過去ログ - 鹿目まどか「魔法少女の力量を超えて,その日みる夢」
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(チベット自治区)
[saga ]
2011/04/20(水) 00:23:56.28 ID:LUYFHUX40
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宇宙の刺客。
インキュベーターに願い事を告げ、少女との契約が成立し、魔法少女まどかが誕生したのは、
見滝原を迎えるワルプルギスの夜──それが始まってから、3時間ほどのことだった。
まどかは死の見滝原でまだ立っている。
街は全壊し、暗雲に包まれる。
大地は隕石のクレーンのように破壊しつくされ、何もない。瓦礫と、崩れたコンクリートと鉄筋と。
見渡す限りの広がる終末の景色。
今この瞬間に誕生し───最後に残された一人の魔法少女。
まどかの身体は、契約の魔力を受けて桃色の光に包まれていた。
最後の希望。
その光の粒が、まどかを守るように浮遊している。
まどかはじっと、目を閉じて願い事のことを、心に想ってた。
私の願い事は、世界に行き届くだろうか。
両手に包んで持っているのはまどか自身。ソウルジェム。
変わる。世界の命運が。
閉ざした目をゆっくりと開くと、まどかの視界いっぱいに煌くソウルジェムの光があふれ出してきた。
手の中で光り輝いている。
強く。燃えるほどに。
それを見たまどかの瞳から、涙が零れ落ちていく。頬を伝い、……落ち行く雫はソウルジェムの光を受けて
桃色に輝き……大地に落ちる。
まどかの願いは実を結ぶ。
魔法少女まどかの前に契約の使者がそっとやってくる。魔法少女に告げる。
「さあ、まどか。」
白い獣の姿をしたその者も、いまはまどかとは契約を結んだ魔法の使者だ。
彼はまどかの足元で告げる。
「魔法に目覚めたキミの力を呼び起こすんだ。世界で最高の魔法少女になったキミがその力を行使すれば、
キミ一人でワルプルギスの夜も打ち倒せることもできるだろう。」
まどかの上空でワルプルギスの夜の歯車が音をたてて廻り続ける。
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