過去ログ - 鹿目まどか「魔法少女の力量を超えて,その日みる夢」
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(チベット自治区)
[saga ]
2011/04/18(月) 22:36:48.09 ID:Z+ztrCdX0
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運命の大団円。
終わりの時。鹿目まどかを巡る運命の取り合い。その終着点。
世界は静かだった。音がその一切を世界から奪われたように。
だから……。
暁美ほむらが、どんなに夢中で泣き叫んでも、声が世界に届かず……まどかに届かず……
ただ、虚無へ声が吸われた。
結界は。世界は。
インキュベーターの問いかけに答える、まどかの声しか待っていない。
まどかが願い事を告げれば………それで終わる。
天上の序曲にはじまった幕は、終幕を迎える。無へ。
ほむらは手にハンドガンを取り出す。
まどかがインキュベーターに願い事を言い終える前に、その頭を吹きとばしてやらねば。
間に合って。
一瞬一瞬の刹那の刻が、無限の時間の如く感じられる。
そしてハンドガンの照準をインキュベーターに合わせたとき………ほむらのソウルジェムは孵化をはじめた。
胸に突き刺さる痛み。ハンドガンの照準がゆらぎ、ほむらの身体がバランスを失って崩れ落ちる。
苦しくて動けない。ほむらの目から涙から苦悶の涙が零れ落ちる。ソウルジェムは輝きを全て失い、真っ黒だ。
魂の卵に植えつけられた魔女の種が、芽をふきだす。
限界だった。
希望がついえる。魂が燃え尽きる。傷だらけの顔を地面に打ちつけ、ほむらが次に見たのは、
私という絶望を差し置いて、希望の光に包まれるまどかの身体だった。
やがて……。
ほむらの紫の瞳に宿る、生気が、失われていく。涙だけが淡々とそこから流れ出ていた。
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