過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」3
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51: ◆d85emWeMgI[saga]
2011/04/20(水) 23:07:32.96 ID:Mt9UmC0G0
「おっじゃましま〜っす」
美琴の部屋に上がった佐天の目に飛び込んだのはカーペットにこんもりと盛り上がるタオルケット。
「迎えに行ってそのままコッチ来てるって言ってたなそういえば」
コートを掛けた美琴はリビングを通り抜けてキッチンに行くと買い物袋の中身をテーブルの上に並べる。
「随分ぐっすりですね〜」
しゃがみこんで佐天涙子が覗き込むのは、白髪頭の青年の寝顔。
普段の気難しい表情はなりを潜め、眉尻の下がった顔は年不相応に幼い。
あどけないと言い換えてもいいだろう。
佐天が余りにも弾んだ声で覗き込むものだから、佐天ばかりずるいと絹旗も覗き込む。
「可愛い〜」
「た、確かに超可愛いです…」
青年の珍しい寝顔に、絹旗は頬を染めてまじまじと見つめる。
乙女丸出しの横顔を、佐天がにたりとしたにやけ面で見ているのにも気付かず。
「あっるぇぇ〜?絹旗さんてば随分素直じゃね?目キラキラさせてね?」
「さ、佐天さんだって今可愛いって、超可愛いって」
「言ったさ、可愛い〜〜――― 想ちゃんが」
そういってマシュマロのような頬っぺたをつんと優しくつついてやる。
佐天がつついたのは、白髪頭の青年こと一方通行 ――― の胸元にぴとりとくっ付いている幼い少女の寝顔。
片時も離れまいと、少女は一方通行の服を小さなマシュマロのような手で握って離さない。
親犬に子犬が寄り添っているようだ。
佐天の露骨なしてやったり顔にますます真っ赤になる絹旗。
「やぁ〜ん想ちゃん、ホント可愛い、つんつん」
つつくたびに、ふよんと弾力のある頬が微かに揺れるのが、お気に召したのか、佐天は少女の頬っぺたに夢中だ。
「あ、絹旗先生は想ちゃんじゃなくて、一方通行さんが可愛いんだっけ?」
「佐天さん…」
「ごめんごめん。でもさ、コッチの白いお兄さんも可愛いよね、確かに」
佐天は今度は一方通行の頬をつつく。
眠りが深いのか、微かに眉を寄せるだけで、一方通行は目を覚ます気配すら見せない。
不意に、突いた指を佐天は見つめる。
絹旗が首を傾げる目の前で、佐天は自分の頬を突いてみる。
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