過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」3
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794: ◆d85emWeMgI[saga]
2011/05/28(土) 03:18:01.82 ID:JL7TpoOM0
今年は例年に比べて残暑が厳しいという。体調には気をつけねばならないなと、美琴は手にした雑誌をぺらぺらと捲り始める。
妊娠六ヶ月目。
比較的重いつわりを乗り越え、御坂美琴はすっかり妊婦として落ち着きを持ち始めていた。
初春と佐天が選んでくれた蕩けるような淡いピンクのマタニティーワンピースが清潔な美琴の空気にやわらかさを加味している。
ちなみに余談であるが、白井が選んだマタニティーワンピースは背中が大きく開いた大胆なセクシー系であった。
美琴としては、中々可愛らしいデザインであったのだが、そこで自称保護者の待ったが掛かる。
『学園都市の白い悪魔』こと、一方通行だ。
身体を冷やすという判断の下結局セクシーマタニティーはベクトルパンチと共に白井に突き返された。合掌。
一方通行にマッサージをさせながら、雑誌を捲る美琴の手が止まる。
一方通行に見えるように膝の上にページを開いたまま乗せる。
「コレ美味しそう〜今度作ってよ」
「……言っておくがな、六ヶ月目は別段二人分のカロリーを摂る必要はねェンだからな?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………あ、茄子いいわね〜この前タジン鍋買ったじゃない?この蒸し鶏のやつ食べたい」
「オイ、コラ」
さも当然のように人に手料理をねだるとは、どういう了見だ。
大体、最近少し食べ過ぎだろ。
というか、妹達に作らせろ、俺ばかり家事スキルが高くなるとかどういうことだ。
等々の文句を舌の上に乗せ終えたところで、美琴にとっての救いの手、一方通行にとっての邪魔者の横槍が入る。
「御坂さん。御坂美琴さん」
「あ、ハイ」
わざとらしい軽やか且、取り澄ました声。
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