過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」3
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835: ◆d85emWeMgI[saga]
2011/05/31(火) 22:33:37.91 ID:0lmuhAkw0
「抱っこしてもいいですか?」
「うん、まだ首すわってないからこうやって首を支えてあげながら…」
滝壺の言葉に従って、絹旗はおそるおそる赤ん坊を受け取る。
こわれものを抱くように、細心の注意を払って受け取ると、絹旗の顔が見る見る輝く。
「あふぅ…超柔らかいです。超温かいです。超可愛いです」
「うう〜いいなぁ〜」
「わ、私にも抱っこさせてくれない?」
二人の少女少女し空気に気圧されるように、一歩後ろに下がっていた麦野沈利は、おそるおそる絹旗の腕の中の赤ん坊に近づく。
麦野一歩近づくと同時に絹旗が一歩下がる。
「………」
「………」
更にもう一歩近づく麦野。もう一歩下がる絹旗。
「…………」
「…………」
更にもう一歩近づく麦野。もう一歩下がる絹旗。
「おいいぃぃーー!!テメェ何してんだ絹旗ぁぁぁ!!」
「声でけぇです。超起きちゃいますよ」
「うぐッ…何で下がるのよ」
トーンを下げつつ、恨めしげに見つめる麦野。
なまじ大人びて整った顔は、下から見上げると気合いの入ったメンチを切っているように見える。
絹旗が更に下がる。麦野の眉がぴくりと動く。
「きぃぃぃぬぅぅぅはぁぁぁたぁぁ?」
「だ、だって…未来の超美人保母さんとしては赤ちゃんが赤/ちゃんになるのは見過ごせないというか」
「するか!!ただ抱きたいだけだって空気でわかるだろ」
「抱きしめる腕に力入れすぎて赤ちゃんが赤/ちゃんに…」
「しねぇよ!」
滝壺の赤ん坊を取り合って麦野と絹旗がにらみ合いを始める。
「もうみさかはつわり収まった?」
「え、ああ、はい。っていうか放っておいていいの?」
「いいのいいの」
器用に小声で罵り合う二人を気にもせずに、滝壺はのほほんと笑う。
「むぎのは優しいから。きぬはたもわかっててやってるだけ」
戦況は徐々に麦野に傾きつつある。
赤ん坊を起こさぬように抱っこする絹旗と、ナチュラルボーン・プレデターの麦野では獲物を賭けての勝負は、最初からわかりきっていた。
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