20: ◆VnIAQij.pM[sage saga]
2011/04/19(火) 20:29:53.98 ID:IlG4AtQX0
神裂「ここは、一旦退かせて頂きます――――」
水と泥の煙の中、神裂の声が木霊する。
爆発したのは、神裂の周囲の赤い水だ。爆発の中心にいた神裂も、当然無事では済んでいない。
そもそもが、『死』を受け入れる――――『自壊』、『自爆』を意図した魔術なのだから、神裂本人が無傷では術式の意味が成立しない。
だが、それを微塵にも感じさせない声で、神裂は一方通行に語りかける。
一方通行は即座に『風』を操り、霧煙を吹き飛ばすが、如何せん巻き上げられた泥土が多量過ぎ、視界は未だ晴れない。
神裂「――――だが、貴方は必ず、私が殺す」
そしてその『風』の操作は同時に、尚も続いていた『気圧』の縛めから、神裂を解き放ってしまった事に他ならない。
それに一方通行が気付いたのは、神裂の、忌々しげな捨て台詞が聞こえた直後だった。
一方通行「ッルせェェェェェェェェェンンンだヨおォォォァァァァァ!!!!!」
嵐のような暴風を繰り、燻っていた煙を、降り続く赤い雨諸共、根こそぎ吹き飛ばす。
だが、もうそこに、神裂火織はいなかった。
たださあさあと、赤い雨だけが、流れ続けていた。
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