29:福岡「学園都市かよ……」[saga]
2011/04/21(木) 23:11:30.15 ID:IS6RDrVAO
“宇宙の誕生する前はどうなっていたのでしょう?”
そんなありきたりでそれでいて誰も答えが出せそうにない問いに対する答えは、
“則ちそれは混沌です”
なんていうもの。わからないことをどんどん解明していっていた現代科学が、極限的には対極のギリシャ神話のような答えを出していると知ったときにはいささかの拍子抜けを感じた人はきっと俺だけではない。普通の人間に混沌とか言われてもピンとこないし理解も出来ない。
だが、もしかしたらたった今俺はその点で普通の人間より秀でたかもしれない。
“ああ、混沌とやらはこんな感じなのか”
と。
塀の外は黒とも灰色ともつかないまさに“混沌とした”色合いの空間が広がるばかりであった。
――あれは何だ?学園都市を残して世界が滅びたのか?それにしては内部の人間が平常に過ごしているのはいくらなんでもおかしい。第一、戦争がおころうがエイリアンが攻めてこようがあんな状態にはならないはず。理由は見当もつかない。
それより何より。
福岡「俺は……外に出られるのか……?」
「出られない。ここの外は“設定”されていないからな」
「結局、何も存在し得ないって訳よ」
背後から二つの声。振り向くと、どこかで見た男女二人組が立っていた。
垣根「垣根帝督だ」
フレンダ「フレンダ、って訳よ」
この世界の人間と一切関わらないという俺の決意は、
垣根「逃げんなよ?異分子に対して優しい対応をとってやるとは限らねえぞ」
不可抗力的にだが、たった今崩れ去った。
つづく
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