過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[sage saga]
2011/09/23(金) 02:04:21.94 ID:cn2nlWXso
「いるんだよ、そういうのが。ずっと昔……それこそ千年や、もっと古からこの世界と魔界は繋がってる」
杏子の反応を楽しむかのように、零は口元から笑みを絶やさない。
笑顔そのものは変わらないのに、今度は不愉快さを感じなかった。
「それだけで説明になると思ってんの?」
「奴らは人や物の陰我に寄生する。陰我ってのは万物に宿る闇。主に怒りや憎しみなど負の感情、欲望なんかがそうかな」
「何だよ、それ……」
突拍子もない説明に首を傾げる。
もし、ホラーとやらが零の説明通りだとすれば、とっくに明るみに出ていてもおかしくないはずだが。
「それじゃ陰我を持たない人間なんかいねーじゃねーか」
「そういうこと。あんこちゃんも悪いことは程々にしとかないと、度が過ぎるとホラーに取り憑かれるぜ?」
「……余計なお世話だっての」
零の忠告は、温かい過去の記憶を思い起こさせた。
夜更かししてるとお化けが出るぞ、なんて――昔、母親に言われたっけ。
特に父がしっかりした人だったので、うるさく言われた記憶がある。
夜の孤独に包まれていると寂しさに押し潰されそうにもなるのに、今は苦しくない。
ただ懐かしさと優しさだけが溢れてくる。こうして陽の下で誰かと話しているからだろうか。
察しのいい彼のことだ。自分が生きる為に手段を選んでいないのもお見通しだろう。
そうと知りながら、この程度の反応で済ませる、受け入れるなんて。
いつしか杏子は、この距離感と会話が心地いいと感じ始めていた。
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