過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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539: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2011/09/26(月) 02:50:28.96 ID:aUcBu5eMo

――もし、もしもだ。
 あの時、あたしが行った先にいたのが魔女じゃなく、ホラーだったとしたら。
 あたしの縄張りを知り、行きそうな場所を読んでたとしたら。
 そして、こいつが先回りして、それを倒してたんだとしたら……!

 あたしは、こいつに守られてたってのか……!?

 なんて……決めつけるのは早過ぎる。
 けど、こいつが初めて出会った魔法少女はあたしらしい。だったら、あたしを通して知ったのは確実なはず――

 杏子はグッと湧き起こる屈辱を抑えて、余裕を装った。

「……別に構わないよ、ホラーが出てこようが。そんときゃ倒すまでさ」

 自惚れではない。経験と実績に裏打ちされた自信。
 戦いに慣れてから数年、苦戦と言うほどの苦戦はなかった。杏子の見立てでは、零と自分の力量はほぼ互角。
零に倒せる相手なら勝てないことはないと判断した。

 しかし――。

「止めとけよ。あんこちゃんの手に負える相手じゃないぜ」

「何だって……?」

 訊き返す声は微かに震えていた。
 声に秘められた感情は紛れもなく怒り。
 もう何度目か。杏子の八つ当たりを受けたテーブルが激しく揺れ、軋みを上げた。

「あんたには倒せて、あたしには無理って言いたいの!?」

 張り上げた声に周囲の目は二人のテーブルに集中するが、その程度でこの男が動じるはずもなく。
 むしろ杏子の神経を逆撫ですらできるのだ。当然、故意に。
 今の杏子の導火線に火を点けるには、たった一言で充分。
 
「そういうこと」

 その一言を、零は迷わず言い放った。またしても、にっこり笑って。



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