過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2011/09/26(月) 02:50:28.96 ID:aUcBu5eMo
――もし、もしもだ。
あの時、あたしが行った先にいたのが魔女じゃなく、ホラーだったとしたら。
あたしの縄張りを知り、行きそうな場所を読んでたとしたら。
そして、こいつが先回りして、それを倒してたんだとしたら……!
あたしは、こいつに守られてたってのか……!?
なんて……決めつけるのは早過ぎる。
けど、こいつが初めて出会った魔法少女はあたしらしい。だったら、あたしを通して知ったのは確実なはず――
杏子はグッと湧き起こる屈辱を抑えて、余裕を装った。
「……別に構わないよ、ホラーが出てこようが。そんときゃ倒すまでさ」
自惚れではない。経験と実績に裏打ちされた自信。
戦いに慣れてから数年、苦戦と言うほどの苦戦はなかった。杏子の見立てでは、零と自分の力量はほぼ互角。
零に倒せる相手なら勝てないことはないと判断した。
しかし――。
「止めとけよ。あんこちゃんの手に負える相手じゃないぜ」
「何だって……?」
訊き返す声は微かに震えていた。
声に秘められた感情は紛れもなく怒り。
もう何度目か。杏子の八つ当たりを受けたテーブルが激しく揺れ、軋みを上げた。
「あんたには倒せて、あたしには無理って言いたいの!?」
張り上げた声に周囲の目は二人のテーブルに集中するが、その程度でこの男が動じるはずもなく。
むしろ杏子の神経を逆撫ですらできるのだ。当然、故意に。
今の杏子の導火線に火を点けるには、たった一言で充分。
「そういうこと」
その一言を、零は迷わず言い放った。またしても、にっこり笑って。
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