過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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58: ◆ySV3bQLdI.[saga]
2011/04/29(金) 00:23:28.58 ID:PbRgPovxo

 魔法少女になってからというもの、私は人を疑うという嫌なことを覚えてしまった。
 多分それは、孤独に魔女を追い、戦うことに慣れてしまったせい。
独りで魔女と戦い、生き残る為には、警戒心を高めなければならなかった。

 石橋を叩いて渡るくらいの用心でも、全然足りない。常に神経を尖らせ、目に映るすべてを疑うくらいでちょうどいい。
 魔女の作り出す幻惑の異空間では、常識や物理法則なんか何の当てにもならない。
一見無害に見えるオブジェでも、いつ牙を剥くかわかったものじゃない。
今は安定してる床が、いつ獲物を呑み込む口に変わるかもしれないからだ。

 私は自分以外のすべて――いいえ、自分自身すらも疑ってきた。
家に帰っても安息は訪れず、銃を抱いて寝ずに震えていた夜もある。
 流石に今ではそんなことはないが、それも単に慣れたというだけ。
睡眠中でも気配や物音で覚醒、即座に対応できるようになったから必要なくなっただけ。

 休んでいても、頭のどこかは絶えず周囲を窺っている。
 我ながら臆病者だと思う。しかし臆病が故に私は生きてこれたのだ。

 そんな日々を繰り返した結果、昼と夜の切り替えが曖昧になり、いつしか魔女のみならず、
人間相手にも疑惑の目は向けられるようになった。日を追うごとに疑心暗鬼になり、人を容易く疑うようになった。
 だから考えてしまう。彼も本当は私のことなんて利用価値のある道具程度にしか思ってないんじゃないかって。



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