過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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626: ◆ySV3bQLdI.[saga sage]
2011/10/17(月) 00:30:17.21 ID:DTAKjFNQo

 杏子は、もう何も問わなかった。静かに左手を突き出すと、指輪から赤い宝石が出現。
軽く跳躍しつつ、左手を振る。ソウルジェムが眩い赤の光を放った直後、杏子の身体を同色の光が包んだ。
首から下を覆い隠す光は、年相応に華奢な身体の線を浮き彫りにする。
そして足から順に赤いドレスが纏われ、胸にはソウルジェムが輝いた。

 文字通り、瞬きする間の出来事。しかし一瞬とはいえ、零の動体視力は一部始終を完全に捉えていた。
 魔法少女の戦装束を纏い終えて降り立つ杏子に零は、
 
「へぇ。大したもんだな。けど、人前ではやらない方がいいと思うぜ」

 と手を叩いて茶化す。
 しかし杏子は以前のように赤面することも、向きになることもしない。
酷く冷めた、つまらなそうな視線を送るのみ。

「ふぅん……ま、いいさ」

 言いながら、いつの間にか手に持っていた槍を頭の上で回す。
やがて、慣れた手捌きによって高速回転する切先は振り下ろされ、完全に零に定まった。

「そんなに死にたいなら手伝ってやるよ。自殺は大罪だって言うしね」

「そいつはご親切にどうも」

 言い終えるが早いか、杏子の姿が零の視界から掻き消えた。
一瞬にして5mはあった距離を縮めたのだと気付いた時にはもう、槍は杏子ごと突き進んでいた。
 更に零の腹に穂先が届く直前、槍が"伸びた"。
その爆発的な加速は例えるならロケットブースターの2段目の噴射。
一切の予備動作もなく、走る勢いも殺さず、踏み込みと共に握っていた右手を伸ばしたのだ。




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