過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[saga ]
2011/11/08(火) 02:57:34.26 ID:C0ImJjrBo
しかし不愉快極まりないのも確か。
奴の化けの皮、もとい分厚い面の皮が剥がせるなら、そして本気の素顔が引きずり出せるなら。
多少の無茶や無理は承知の上。
それだけの決意を持って、杏子は勝負に出た。
なのに――それでも零は仮面を取らなかった。
零は杏子の軸足を払うと、体重を預け、押し倒した。
「うわっ――」
想定外の事態に思わず漏れた声も、ジャラリと揺れる鎖の音で中断される。
タイルに叩き付けられた痛みと衝撃と、上から落ちてくる顔に、
「んっ……!」
ビクンと全身を強張らせ、杏子は咄嗟に目を瞑ってしまった。
必然、微調整を行っていた左腕が大きく動いたことで穂先はコントロールを失い、
操者が目を閉じれば軌道の修正もされなくなる。
そこからの零の行動は実に迅速だった。緩んだ拘束を振り解くと、杏子の顔の横に両手をつき、
両足で地を蹴る。
直後、キィンと澄んだ音が鳴り、ビルの谷間に残響がこだまする。
その音に杏子が目を開いた時、目の前には変わらず零の顔。
違ったのは、自分に重なっていた身体が、今は自分に対して直角になっていたこと。
何が起きたのか理解が追い付かない杏子の頭上に、ブーツの踵で弾かれた槍が突き立った。
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