過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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697: ◆ySV3bQLdI.[saga ]
2011/11/08(火) 02:57:34.26 ID:C0ImJjrBo

 しかし不愉快極まりないのも確か。
 奴の化けの皮、もとい分厚い面の皮が剥がせるなら、そして本気の素顔が引きずり出せるなら。
 多少の無茶や無理は承知の上。

 それだけの決意を持って、杏子は勝負に出た。
 なのに――それでも零は仮面を取らなかった。

 零は杏子の軸足を払うと、体重を預け、押し倒した。

「うわっ――」

 想定外の事態に思わず漏れた声も、ジャラリと揺れる鎖の音で中断される。
 タイルに叩き付けられた痛みと衝撃と、上から落ちてくる顔に、

「んっ……!」

 ビクンと全身を強張らせ、杏子は咄嗟に目を瞑ってしまった。
 必然、微調整を行っていた左腕が大きく動いたことで穂先はコントロールを失い、
操者が目を閉じれば軌道の修正もされなくなる。
 そこからの零の行動は実に迅速だった。緩んだ拘束を振り解くと、杏子の顔の横に両手をつき、
両足で地を蹴る。

 直後、キィンと澄んだ音が鳴り、ビルの谷間に残響がこだまする。
 その音に杏子が目を開いた時、目の前には変わらず零の顔。
 違ったのは、自分に重なっていた身体が、今は自分に対して直角になっていたこと。
 何が起きたのか理解が追い付かない杏子の頭上に、ブーツの踵で弾かれた槍が突き立った。




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