過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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720: ◆ySV3bQLdI.[saga ]
2011/11/18(金) 02:12:41.36 ID:a7u3xc3Yo



「さて……と」

 戦法は変わらない、懐に潜り込んで制圧するのみではあるのだが、正面突破は自殺行為。
 路地を完全に塞いでいる彼女に近付くにはひとつしかない。
 上だ。

 零は壁に向かって走り、軽いジャンプから壁を蹴る。続けざまの跳躍、今度は斜め前に反対の壁へ。
 壁面に着地した零は、落ちるより速く壁を蹴り、杏子の射程内――彼女の支配する領域内に突入する。

 重力に逆らい壁を疾駆する零に杏子は目を丸くしたが、すぐに狙いを切り替える。
 超人的な身体能力は何度も目の当たりにしている。今さら彼が何をしようと驚くには値しない。
状況はまだ自分に有利なのだ。

「のろい!」

 その言葉通り、零の動きは地上と比べて明らかに遅い。
 彼が駆ける壁面は平らではない。大小様々な凹凸や配管が張り巡らされ、一直線に走るには障害となる。
ただでさえ雑多な障害がある上に、槍は容赦なく足場を抉った。

 コンクリートの飛礫を次々に生み出し、飛礫は時に身体を打ち、時に視界を妨げる。
しかも、必ずしも槍は壁に強度で勝るとは限らない。
凹凸や障害物に跳ね返って軌道を変化させ、零はもちろん杏子自身にも、どう変化するか読めなかった。

「ほらほら、どうしたのさ! あんたらしくないね!!」

 右へ左へ上へ下へと走る壁を替え、なかなか接近できずにいる零へ、杏子は嘲りの言葉を投げる。



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