過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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766: ◆ySV3bQLdI.[saga]
2011/11/26(土) 02:06:24.28 ID:EH1OJZ2Zo



 暮れる夕陽を眺めながら、零は物思いに耽っていた。

 杏子にとっては聖戦でも、自分にとっては下らない諍いに過ぎない。
 だが、意地に命を張る杏子の気持ちを愚かと笑うこともできない。
 かつての自分と同様、いつだって感情は理屈を上回る。
 命を懸けたのは、彼女の本気に僅かでも報いる為でもあった。

 魔戒騎士と魔法少女の違いは多々あるが、それらは思うに、あるひとつの差異から派生している。
 魔法少女について、すべての謎が解けてはいないが、魔法少女と魔戒騎士で決定的に違う点が、少なくともひとつある。
 善悪でも正否でも強弱でもなく、ただ単純に違う。

 剣を抜く直前の互いの決断も、その一部。

 杏子は迷っていた。
 それは杏子の未熟の証。
 そして心の脆さの証。
 だが、自由の証でもある。


 刹那の瞬間、自分は迷わなかった。
 二つの選択肢から、どちらかを捨て、どちらかを取ったのではない。欲張って両方を毟り取ったのとも違う。

 第三の選択肢――否。
 選べるのは、いつ如何なる場合でも、たったひとつ。
 選ぶべきは己の命でも、杏子の命でもない。
 魔戒騎士の宿命。
 使命でなく宿命(さだめ)。
 それだけしかないのだから。




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