過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/01/12(木) 01:01:40.88 ID:wMPZD+x3o
「じゃあ、そのせいで……!?」
『いいや、既に何体かのホラーが街に潜んでいるからな。
いくら掃除ができてないと言ったって、たかが数日でこの数は異常だ。ただの偶然とは思えないぜ』
ザルバがしたマミへの返答に、さやかは怯えをありありと青ざめた顔面に浮かべた。
ホラーが既に街に潜んでいる? あんな恐ろしい化け物が、それも何体も?
想像しただけでゾッとする。
身体が勝手に震えだす。
両手で掻き抱いても、震えは止まらなかった。
だが鋼牙は、彼女の異常を横目で見ながらも、マミと会話を続けた。
「これほど陰我の濃い渾沌とした街になった原因が他にあるはずだ。
以前と比べて何か違和感を感じないか? どんな些細なことでもいい」
「え……と、一週間くらい前からかしら。どこか街の空気が変わったような……。
魔女が増え、奇妙な事件――失踪や犯人の捕まっていない猟奇殺人が増えたのもその頃です」
「連絡が途絶えたとわかったのも五日前。
やはり、この街がこうなったのはごく最近――それも、一週間前後の可能性が高い」
彼らは何を話しているのだろう。
さやかは呆然と鋼牙とマミの会話を聞いていた。
耳には入っていても理解とはほど遠い。未だショックから立ち直れずにいた。
わかっているのはひとつだけ。
これは目を閉じ、耳を塞いでいれば、通り過ぎてくれる災厄ではないということ。
他人事ではない。遠いどこかで起こっている事件ではない。
今日明日にでも、自分や周囲の人間がいなくなっても不思議はないのだ。
関係ないと知らない振りはできない。今さら忘れることも。
でも、だからって、自分に何ができると言うのだろう。
「この街で、何かが起きようとしているのかもしれない……?」
ポツリと呟いたのはほむら。
答える者はいなかった。
誰もその答えを持たず、それでいて誰もが漠然とした不安として抱いていたからだ。
無音の部屋に重苦しい雰囲気が漂う。
まどかなどは、居心地の悪さからか身動ぎもできずにいた。あのザルバでさえ黙っているのだ。
さやかも然り。理解できる者は、それ故に口を閉ざし、理解できない者は、それ故に口を挿めない。
マミも、ほむらも、何も言わない。
誰か、何か言ってほしい。気休めでもいいから大丈夫だと言ってほしい。
だが、現状を最も把握している彼は平然と言うだけだった。
「俺の話はここまでだ。次はそっちの話を聞かせてもらおうか」
鋼牙は気休めも慰めも言わない。ただ彼の真実を口にするのみ。
それが彼の人柄だと、合わせて一時間にも満たない関係でも伝わっている。
だからこそ信用と信頼に値するのだが、この時ばかりは少し恨めしく思わずにいられなかった。
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