過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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914: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/02/12(日) 23:58:02.38 ID:IOcAkzU5o

 沈黙が続く中、声を発したのはほむら。

「これでお開きかしら? それなら私は失礼させてもらうわ」

 と、涼しい顔で言い放つ。
 ほむらの態度に、鋼牙はふとした引っ掛かりを覚えた。

 彼女は歴戦の戦士さながらに冷静だ。 
 だからと言って、自分とキュゥべえの問答を聴いて、ここまで平静を保てるだろうか。
 マミが瀕死の重体に陥った時、まどかとさやかの悲鳴が聞こえた時、ほむらは動揺を見せた。
知り合いの危機――マミやまどかの言によると昨日が初対面らしいが――を前にして、
冷静でいられない程度には歳相応に少女の部分を残している。
 
 気付いていないとは思えない。一日にも満たない関係でも、背中合わせで共に戦った。
だからこそ、わかる。会話の端々からでも、ほむらが同年代の少女に比べて頭抜けて聡いということが。
 魔女と魔法少女に関して、彼女は自分よりも鋭い嗅覚と確かな判断力を持っている。

 マミの説明にも出てこなかった情報を握るほむらが動揺を見せないなら、考えられる理由はひとつ。
 鋼牙が語ったことなど、ほむらにはとっくに既知の事実なのだ。

 立ち上がるほむらに鋼牙は構わず、まどかやさやかの反応は追い付かない。
 しかし、誰もが予想だにしなかった方向から伸びた手が、去ろうとするほむらの手首を捕らえた。

「……待って。あなたにはまだ訊きたいことがある」

 手の主はマミ。
 誰よりショックを受けていた彼女に、他の事に気を回す余裕があったとは意外だった。
 



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